ロックマンエグゼというゲームについての思い出を語る【ロックマンエグゼコレクション】

どうも森羅です。もうすっかり桜が散りましたね。少しだけ寂しい気持ちです。

ところでいきなりなんですが皆さんは『ロックマンエグゼというゲームを御存じですか?

ロックマンは知ってるけどロックマンエグゼは知らない。エグゼ?何それロックマンの派生ゲーム?と思う方もいるかもしれませんし、全く知らないという方もいるかもしれませんね。まあ、ロックマン系列のゲームであることは変わりありません。

私が小学生だったころはこの『ロックマンエグゼ』というゲームが流行っており、友達の間で対戦などよくやりました。ロックマンといえば私達の周りでは主にこのロックマンエグゼのことを指していました。

それで、なぜいきなりそんな古いゲームの話を始めたかというと、きっかけは去年の6月の終わり頃のことです。ニンテンドースイッチのゲームニュースの中にある1つのニュースが入ってきました。私はそのニュースに目が奪われました。そこにはなんと『ロックマンエグゼコレクション2023年に発売決定』とありました。

うおおおおおおおおおおおおおおおおっ

テンションが上がらないはずはありません。なんせ自分が子供の頃に夢中になっていたゲームが現代機でプレイできるようになるのですから。しかも嬉しいことにネット対戦機能もついている。こうして私の中で眠っていた思い出と共に、ロックマンエグゼ熱が再燃したのでした。

そこで今回は、『ロックマンエグゼコレクションの発売がいよいよ1か月前まで迫る中、当時の思い出を交えながらロックマンエグゼシリーズについてどんなゲームだったかを語っていきたいと思います。

かなりの長文になると思います。

1.ロックマンエグゼってどんなゲーム?

今から約20年以上前に発売されたゲームで初代エグゼの発売が2001年。ゲームボーイアドバンスという機種で発売されました。そこから毎年コンスタントに続編が発売され続け、6作目でシリーズとしては完結を迎えました。アニメや漫画化もされ、当時はかなりの人気を誇っていました。

2.ストーリー、世界観について

世界観は現在のようにインターネットが社会に普及し、人々がネットナビと呼ばれる自立型のAIのようなものを所持している世界。家電や町中のありとあらゆるものがインターネットに繋がり、そこにネットナビを送り込むことでシステムを作動させたりできるようになっている。

ストーリーはそんなインターネット社会に恐怖と混乱をもたらすべく活動する悪の集団に、主人公である光熱斗(ひかりねっと)と彼のナビであるロックマン、そして彼らの仲間たちが立ち向かっていくというもの。

少年が悪の組織に立ち向かうというのはポケモンシリーズと似たところがあるように思う。

3.バトルシステムについて

バトルシステムは簡単に言うとカードゲームとアクションを合わせたようなもの。戦闘が始まるとバトルチップ選択画面が現れ、出現したチップの中からそのターンに使うチップを選び、OKボタンを押すとバトルが始まる。フィールドは敵味方共に縦横3マスのフィールド内を自在に動き回り、ロックバスターやチップによる攻撃によって敵となるウイルスやナビを倒す。

上部のゲージが溜まった状態でLかRボタンを押すと再度チップ選択画面に移行し、2ターン目に突入する。

この流れを敵かロックマンが倒れるまで続けるわけである。

当時、このカードゲームとアクションを融合させたような画期的なシステムに当時小学生だった私はとても興味を惹かれた。そして、実際にやってみるととても分かりやすく面白い。チップの選択の仕方など細かなルールはあるにはあるものの、チップは所謂そのターンにロックマンが取れる行動を選択しているわけで、状況にあわせて必要なものを選べばいい。もちろん運が悪ければその時に必要なチップが回ってこないことも良くあるのだがそこは御愛嬌。

発売から20年以上が経った現在、数えきれない程のゲームが世に送り出されてきたわけだけど、今でも似たような戦闘方式のゲームというのは中々見当たらないというか見たことが無い。もちろん私が知らないだけで似たようなものはあるかもしれないけども、他に類を見ない独自の戦闘方式を生み出したのは凄いと思う。

4.小ネタ・隠し要素・やりこみ要素が充実していた

ロックマンエグゼシリーズといえば小ネタや隠し要素、やりこみ要素もかなり充実していてそれもロックマンエグゼにハマる要因だったと思う。

まず小ネタだが、現実世界や電脳世界の至る所を探索することで新たなチップやHPメモリなどの強化アイテムが手に入ったりするのだけども、探索の楽しみはただそれだけではない。例えば熱斗のいる現実世界のあらゆる場所を探索すると、主人公光熱斗の目線による解説文が流れるのだが、そのテキストが中々面白く、光熱斗という人物がどういう感性や考えを持っているのかが分かったりする。アイテムが手に入らなくとも遊び心のあるテキストが満載であちこち調べ回るだけでも面白みがある。

そして隠し要素も満載であり、例えばコマンドを入力することによって効果や威力が変わったり、特定の状況下で威力が強化されたりするといった隠された効果を持ったチップがあったりする。そうした隠し要素は大抵電脳世界にある電脳掲示板の書き込みにヒントが隠されていたりする。中には攻略本を見ないと絶対に辿りつけないようなものもあるのだが。そういう要素を自分で見つけたりするのも楽しかった。

さらにクリア後のやり込み要素も豊富で、クリア後に新たに行けるようになるエリアがある。当然ストーリー本編よりも強い敵やナビとの戦いが待っているが、その分強いチップが手に入ったりする。また、最深部に行くためには特定のナビのV3を倒さなければならなかったり、メガチップを全て集めなければならないなど様々な条件が課されていたりする。そうした条件を一つ一つクリアし、少しづつ奥のエリアへ向かっていくのが楽しかった。特に3のシークレットエリアはウラインターネットを統べる王のナビが登場するなどストーリーが気になって必死になってやってた記憶がある。とにかくクリア後も遊べる要素が満載で中々飽きなかった。

5.プログラムアドバンス

ロックマンエグゼを象徴するシステムとして、プログラムアドバンスというものがある。これは特定のチップを特定の順番で選択した場合に発動する必殺技のようなもの。例えばソード→ワイドソード→ロングソードの順にチップを選択しバトルに突入すると、画面が暗転する演出が発生し、三つのチップが合体しドリームソードという強力なチップが現れる。一発威力400という強力な効果を持つまさに必殺技のような攻撃が放てる。プログラムアドバンスは1~6まで全てのシリーズに存在し、1作品につき約30個ほどある。プログラムアドバンスが発生するチップの組み合わせは様々で、同じチップならコードが違っても選択できるというルールを利用して同じ種類のチップのコード違いをA→B→Cなどの連番で選択すると発動するものだったり、似たような効果のチップを並べることで発動したりするもの、レアなチップをふんだんに使った豪華なものなどバリエーションが豊富。効果も基本は攻撃だが中には特殊な効果を発生させたりするものもある。また、発動中の演出も色々と凝っている。

頑張ってチップを集めて発動した時の爽快感はたまらなかったなぁ。

普通のチップでは出せないような火力が出せるため、組み合わせが分かっているなら積極的に該当チップを入れて発動を狙うのが基本で、正にロックマンシリーズの戦略の要といえる。

組み合わせ自体はゲーム中に幾つかヒントがあり、電脳掲示板の書き込みなどにヒントがあったりする。

印象に残っているプログラムアドバンスは2のゲートマジックとダークメシア、3のマスタースタイル。

ゲートマジックとダークメシアはエグゼシリーズの中でも屈指の威力を誇る。前者はフルヒットで900ダメージ、後者は6000ダメージというとんでもない威力で、耐えられるナビは全シリーズでも存在しないというとんでもない代物。だが、発動するには特別配信で限定入手のゴスペルが必要なため限られた人しか使うことができなかった。WiiUのバーチャルコンソール版では通信コマンドを最初に選択した時点で手に入るらしいので、コレクションでも恐らく発動することは可能かもしれない。

ダークメシアはともかくゲートマジックは発動に必要なチップの調達が容易な上、2はまだメガチップやギガチップという概念が無かったので複数枚組み合わせを投入できたため、1試合で複数回発動できたりした。明らかなバランスブレイカーである。対戦でも当然ゲートマジックの打ち合いになったりした。

マスタースタイルは必要なチップが全てメガチップという豪華なプログラムアドバンス。しかも必要なチップは全てヒグレヤのロットナンバー入力で手に入れられるので、ナンバーさえ知っていれば発動自体は早い段階でできる。サラマンダーダイフンスイサンダーボルトガイアブレードの4属性のチップで発動。3に登場する様々なスタイルのロックマンが順番に相手を攻撃していって、最後に大爆発を起こす。合計で900ダメージを与える。非常に集大成感のあるプログラムアドバンスだった。

6.ロックマンエグゼ(無印)について

ここからはシリーズごとに個別に語っていくことにする。まずはシリーズの始まりであるロックマンエグゼ(無印)だけど、ストーリーはネットワーク社会を混乱に陥れる犯罪組織、WWW(ワールドスリー)と主人公光熱斗達とロックマン、そして彼の仲間たちとの戦いが描かれる。まあ、戦いと言ってもただ行く先々でWWWの起こすトラブルに巻き込まれ、それをロックマン達が解決していくだけなのだが。

システムとしてはシリーズの最初ということもあって作り込みが甘い部分が見られたりするがそれでも前述した通り他に類を見ない戦闘システムなどもあり、面白さは十分だった。ナビカスやスタイルチェンジなどはなく、純粋にチップの力とバスターだけで戦うロックマン。クリア後のやり込み要素もそれほどなく、各キャラクターのナビと戦うくらいしかないがそれでも十分楽しめた。また、ナビチップが強い作品でもあった。

今やると物足りなさがあるかもしれない。しかし、この作品のヒットがシリーズ化に繋がり、後のシリーズではシステムが改善、追加され進化していったと考えるとやはり初代は偉大だなと思う。

7.ロックマンエグゼ2

無印からの続編で今作からスタイルチェンジが登場。プレイヤーの戦い方に合わせたスタイルにロックマンが変化するようになり戦略の幅が広がった。スタイルはバスター主体のガッツ、ナビチップ主体のブラザー、チップの出現枚数を増やせるカスタム、防御よりのシールド、そして隠しスタイルのサイトスタイルの5種類。スタイルは最大2つまで所持でき、適宜付け替えることが可能。

ロックマンエグゼといえば2から始めたという人も多いのではないだろうか?スタイル以外にも細かな部分が前作から改善されたりしており、無印から見違えるように進化した2はロックマンエグゼというシリーズの人気を不動のものにしたと思う。

無印では薄味だったクリア後のやりこみ要素も充実し、なんと特定の条件を達成した状態でタイトル画面であるコマンドを入力するとハードモードが登場する。ハードモードも当時小学生だった自分はやりこんだ記憶がある。敵のHPがめちゃくちゃ高くなってたりするんだよね。

ただ、ゲームとしては面白くなっても、対戦が面白かったかというと話は別。というのも、ロックマンエグゼ2は歴代シリーズの中でも最もインフレ極まった環境だったからである。前述した通り、ゲートマジックなどの強力なプログラムアドバンスの打ち合いや禁断のプリズムコンボなど、対戦環境は魔境と呼べる環境だった。1からシステムが色々と改善されたが、3以降からのチップのクラス分けなどはまだなく、後の作品ではメガクラス相当に匹敵するパラディンソードなどの強力なチップを複数枚積み込むことができたりとバランスは大味。スタイルも隠しスタイルであるサイトスタイルが一強状態。隠しであり、最強のスタイルと作中でも明言されている通り性能は最強クラス。ガッツ、ブラザー、カスタム、シールドの4スタイルのいいとこどりをした性能で、入手してしまうと他のスタイルは使う意義がなくなるレベル。そのかわり、入手条件が全てのナビをバスティングレベルSの状態で倒すという厳しいものになってはいるが。

まあ、面白いけど今思えばまだ大味なバランスだったな。

8.ロックマンエグゼ3

私がシリーズの中でも一番やりこんだといっても過言ではないのがこのロックマンエグゼ3。前作と同様にスタイルチェンジシステムが続投。そして新たにロックマンに様々なプログラムを組み込むことで強化できるナビカスタマイザーというシステムが登場。戦略性は更に広がった。更に、スタンダード、メガ、ギガとチップにクラスわけがなされたりもした。スタンダードなら同名チップは4枚までフォルダに入れられるがメガクラスはフォルダに最大で5枚までしか入れられず、ギガクラスに至っては1枚のみとなり、大味だった前作までのバランスは改善され、対戦ゲームとして遊べる内容になった。また、バグのかけらが初登場したのもこの作品。

ストーリーは無印で壊滅したWWW(ワールドスリー)がネオWWWとして復活。再びネットワーク社会を混乱に陥れようと画策する中、最強のネットバトラーを決める大会、N-1グランプリが開催される。光熱斗とロックマンも当然大会に参加するというもの。

3からポケモンのように2バージョン商法が展開され、通常版とブラック版の2種類があった。厳密には2バージョン商法ではなく、マイナーチェンジ版のブラックが後から発売されたと記憶している。

各バージョンの違いについては後で語るとして、まずは前作から踏襲したスタイル性だが、前作とはシステムが異なる。ナビカスタマイザーの追加により、同じスタイルを使い続けることでスタイルのレベルが上がるとプログラムが手に入るようになった。手に入るプログラムは主にそのスタイルの性能を上げるものが多い。この仕様によりプログラムを全て入手していれば他のスタイルにチェンジしてもある程度以前のスタイルの能力を引き継げるし、複数のスタイルを経由してプログラムを多く集めておけば、それだけロックマンの強化が捗る。しかし、スタイルを使いこまなければそのスタイルの真価を発揮できなくなったという弊害もある。特にシールドスタイルはもろにその弊害を受けてしまっている。前作ではスタイルの固有能力は最初から全て使えたために、不便に感じる面もある。

登場するスタイルは前作と共通のガッツ、シールド、カスタム、ブラザーの4つに加えて各バージョン限定のスタイルとバグスタイル。なんと、前作で最強のスタイルだったサイトスタイルは削除された。まあ、あったらあったでそれしか使われなくなるから当然の措置と言える。

それで、当時プレイしていて感じた各スタイルの使用感や評価を以下に記す。

ガッツスタイル

 バスターやチャージショットメインで戦っているとこのスタイルになる。バスターを連続で放つとガッツマシンガンが発動し、バスターをバルカン砲のように連射できる固有能力を持つ。更にバスターの威力が2倍になる。レベルアップで手に入るプログラムは攻撃を受けてものけ反らなくなるスーパーアーマーやバスターにブレイク性能が付くブレイクバスターなど。主にバスターやチャージショットメインで戦うスタイルでチップが無くても戦えるといえば聞こえは良いが、当時小学生だった私でもその弱さは理解できた。まず、動き回る敵にバスターを連続で当てるのが困難だし、バスターの威力を最大まで強化したとしても威力は一発たったの10程度。バトルチップを使った方が楽に火力を出せてしまう。更にバスターの強化効率も悪い。バスターを強化しようと思えば、ナビカスでアタック、ラピッド、チャージ系のプログラムをできる限り詰め込む必要があるためスペースを圧迫する。また、いくらバスターの威力を強化しても後半に登場するフォルテなどのオーラを纏った敵のオーラを消し飛ばすことはできない。そういう相手には結局チップの力に頼らざる負えないのが悲しい。後は単純にバスター連打のためにBボタン連打するのがキツイのもある。決して使えないスタイルではないけど他のスタイルに比べるとどうしても見劣りはする。なるとしたらチップが碌に揃っていない序盤だろう。1番最初になるスタイルとしては丁度いいかもしれない。幸い手に入るプログラムは有用なものが多いのが救い。ブレイクバスターなどはサンドマンなど一部の敵には役立つし。

と、ここまでは原作での個人的な評価。ロックマンエグゼコレクションではストーリー中に限り、なんとバスター威力100倍にできるというシステムが実装されることが分かった。これによりストーリー攻略では一番有用なスタイルになる可能性がでてきた。

カスタムスタイル

 バスターをあまり使わず、チップによる攻撃でウイルスを倒すことが多いとこのスタイルになる。戦略性を重視したスタイルで、スタイル特性によりチップ選択画面に出現するチップの枚数が常に+1される。さらにレベルアップで手に入るプログラムもカスタム1やカスタム2などチップ出現枚数を増やすことができるものばかり。それらをナビカスでフルに組み込むことでなんと最大10枚ものチップを最初から出現させることができる。その便利さと強さは言わずもがな。カードゲームで例えるなら相手が手札5枚なのに対し、こちらは手札10枚の状態で戦っているようなもの。出現チップの多さは行動の選択肢の多さでありそれだけで有利である。相手が非カスタムスタイルでこちらが10枚フルオープンならば実に2倍もの手数の差があると言える。また、出現チップが多くなることでプログラムアドバンスを狙いやすくなるため、火力も出しやすい。更に、カスタムスタイル固有の能力として特定の敵を高バスティングレベルで倒すとレアなチップが手に入る。やっていることはチップの出現枚数を増やしているだけだがそれがシンプルに強い。ストーリー攻略、対戦でも使える優秀なスタイルといえる。対戦で使われるのは主にカスタムか後述するブラザースタイルだろう。後は良くてバグスタイルくらいか。ただ、強さは良くも悪くもフォルダに入れるチップ次第なため、使用者の腕とセンスが問われるスタイルでもある。自分はこのスタイルを一番愛用していた。

ちなみに、カスタムスタイル限定かと思われるレアチップだが、入手手段は他にもある。実はチップトレーダースペシャルやバグピーストレーダーでもレアチップが手に入るためチップコンプを目指す場合でも必ずならなければいけないというわけではない。

後はこのスタイルを狙う時の注意点だが、リカバリー系や、バリア系、フィールド変化系のチップ、メガチップを多用していると他のスタイルのチェンジ条件にも引っかかってしまうので狙うならなるべく使用は避けた方がいい。

ブラザースタイル

ナビチップを多用しているとこのスタイルになる。レベルアップによりフォルダに入れられるメガクラスチップの枚数を増やせるプログラムが手に入る。メガクラスに属するチップはナビチップを含めどれも1枚で強力な効果をもっているものが多いため、その投入枚数を増やせるこのスタイルはカスタムスタイルと並び非常に強力。そして、ブラザースタイル固有の特性として、V3ナビを高バスティングレベルで倒すとそのナビのV4チップが手に入る。しかもカスタムスタイルと違ってV4チップの入手手段はこのブラザースタイルのみとなっているため、メガクラスチップをコンプリートするには必ず1度はチェンジしなければならない。そういう意味では一番なる価値があるスタイルといえる。ただ、V4チップを手に入れるにはそもそもV2ナビを倒してV3ナビと戦える状態にしないといけないので、メガクラスコンプを目指すなら必然的に終盤にチェンジすることになる。シークレットエリアのヤマトマンダークマンのV4も目指すなら尚更。

シールドスタイル

主にリカバリーやバリア系のチップを多用しているとなるスタイル。攻めのガッツスタイルと対になるスタイル。スタイル特性として戦闘開始時に最初からバリアを纏った状態でスタートし、タイミングよくシールドやリフレクトで攻撃を防ぐか反射すると最大HPの10%程HPが回復する。

ナビカスタマイザー追加の被害を一番受けたであろうスタイル。レベルアップしてシールドやリフレクトのプログラムを組み込まなければ能力を発揮できない悲しきスタイル。チェンジしたてのころはバリア能力しかなく、下積み期間がつらい。しかし、レベル3まで上げてリフレクトを手に入れると一気に世界が変わる。リフレクトはシールドの上位互換的なプログラムで、B+←で相手の攻撃を威力100で跳ね返すことができる。つまり、攻撃を反射しているだけでウイルスもナビも倒せてしまうのだ。フォルテが纏っているオーラも当然チップも使わずに吹き飛ばせる。まさに防御は最大の攻撃。一部敵の攻撃は反射できないけど。上記の回復能力と合わせて粘り強く戦うことができるスタイルと言える。まあ、実質リフレクトが本体。対戦でも使えなくはないけど相手がブレイクバスターを入れていた場合戦略が崩壊する。

バグスタイル

ナビカスタマイザーで間違った組み込み方をして、ロックマンにバグが発生した状態で戦い続けるとなるスタイル。チェンジ条件からして隠しスタイルのようなものか。普通バグが発生したまま戦い続けることはないだろうから。バグを発生したまま戦い続ければ良いためある意味他のスタイルよりチェンジは楽。スタイル固有の特性としては戦闘開始時にロックマンが強化されるバグと弱体化するバグが同時に発生するというもの。運が良いと弱体化バグはバスターの空撃ちなど大したことないものを引き、強化バグはチップ10枚フルオープンなど滅茶苦茶強くなる時もあるが逆もまた然り。戦う度にロックマンの強さが変化するギャンブラー向けのスタイルといえる。一見ネタのように思えるスタイルだが手に入るプログラムは豪華。ナビカスのバグを強制的に防ぐバグストッパーに、闇のチップをダークホールなしで使えるダークライセンスなど有用なものが揃っている。プログラム目当てでチェンジするのもいいかもしれない。

グランドスタイル

通常版(ブラック版に倣ってホワイト版ともいう)限定のスタイル。グリーンフィールドなどフィールド変化系のチップを多用しているとチェンジする。スタイル特性としてチャージショットにパネルをヒビ割れにする効果が付く。そしてレベルアップで手に入るプログラムはセットグリーンやセットマグマなど戦闘開始時に元々通常パネルだった箇所を特定のパネルに変化させるというもの。地形を駆使して戦うスタイルでコンボ性が強い。だが、セット系のプログラムを組み込まなければ実質、能力はチャージショットのひび割れのみ。クサムラパネルに変えて火属性チップで倍のダメージを与えたり、チャージショットで空けた穴にカンケツセンを投げ込むなどのコンボを駆使して初めて真価を発揮するスタイル。しかし、プログラムによるフィールド変更効果は戦闘開始直前の1度きりであり、パネルを壊されて再生するなどして元のパネルに戻ってしまうと、再度フィールドを書き換えるにはフィールド系のチップを使う必要がある。そのためチャージショットのひび割れ効果とは少々ミスマッチな部分がある。また、その性質上属性によって使い勝手が大きく変わるスタイルである。ヒート属性ならチャージショットで相手フィールドの横3マスを一気に穴パネルに変化させることができ、乗るとダメージを受けるマグマパネルの上に乗れたりするので、セットマグマで相手を一方的に苦しめることができたりと強いのだが、逆にエレキ属性だとチャージショットを当てないとパネルにヒビを入れることができず、また、3ではエレキ属性だけ恩恵を受けられるパネルが存在しない為地形を使ったコンボも利用しづらいという悲惨なことに。せめてスタイルチェンジ時に属性を選べたら良かったのだが、属性はランダムで決まるという鬼畜仕様。バージョン限定スタイルなのに仕様のせいで不遇な目にあっているスタイル。ちなみに手に入るプログラムの数はスタイルの中でも最多である。

余談だが、3以降フィールドを変化させるチップは何故か使い勝手の悪いシード系のチップに置き換えられてしまっている。敵味方両方のパネルを変化させるのが強すぎると判断されたのだろうか?フィールドを活用した戦略はその後のシリーズでは弱体化を余儀なくされている。

せめてプログラムだけでも4以降に残っていればと思わなくもない。

シャドースタイル

ブラック版限定のスタイル。シャドーマンを模したような姿をしている。インビジブルやユカシタ、カゲブンシンなどの攻撃回避系のチップを多用しているとチェンジできる。スタイル特性としてはチャージショットでわずかな間だが無敵状態になれる。レベルアップで手に入るプログラムはエアシューズやフロートシューズ、カワリミマジックなど。当時対戦はやってたけど、ブラック版を持ってる人があまりいなかったり、いても対戦で使われたことがなので評価し辛い。チャージショットで無敵になれるのはいいけど3にはインビジ状態を無視してダメージを与えるチップが結構あるので対戦では微妙かな。

これで各スタイルの評価は終わり。前述したけど対戦では主にカスタムかブラザースタイルが使われてた印象。スタイルシステムは好きだけど属性がランダムだったのは不満だったなあ。対戦ガチ勢は当時、属性厳選とかやってたんだろうか?

後は3の独自のシステムとしては敵であるはずのウイルスを仲間にできるというシステムがあったな。仲間にしたウイルスにバグのかけらを餌として与えることで攻撃力を高めたりできるが、ウイルス召喚チップ自体があまり実用的じゃなかったな。基本的には一番攻撃力の高いウイルスを狙って目押しするだけだったし。とはいえウイルスを仲間にできるのは画期的だった。ウイルスを仲間にできるのは後にも先にもこの作品だけ。

後はロックマンエグゼ3を語る上でやはりシークレットエリアは外せないだろう。ラスボス撃破後、エンディングの後にその存在が僅かに仄めかされるわけだが、シークレットエリアというだけあって、そこへ繋がるサーバーがある場所は本当に意外な場所である。まさかこんな場所にあるのかという所。そして雰囲気はまさに隠された聖域といった感じ。ウラインターネットのような禍々しい外観とは違い、誰の手も入っていない清廉な空間といった様子がまさにシークレットエリアのシークレット感を醸し出している。プラグインする時のアニメーションも普通とは違うものが用意されていることからも、これから特別な場所に入るんだと感じさせる。当然だけど、出現するウイルスはみんな強い。そして、そんなシークレットエリアを進んでいくためには道のあちこちを塞いでいるモノリスを破壊しなければならない。モノリスを破壊する為にはウラインターネットのどこかにあるモノリスハンマーを手に入れなければならず、さらにモノリスから課せられたお題をクリアし、モノリス破壊後に、中に封印されていた激強ウイルスと戦って勝ってようやく先に進めるようになる。行動範囲を広げるのには中々骨が折れた記憶がある。そして、苦労しながらも進んでいくと当然の如くボスナビが立ちはだかる。ダークマン、ヤマトマン、そして復活を果たしたフォルテ。どのナビも強敵である。そしてシークレットエリアの最深部に辿りつくとそこにいたのはなんとウラインターネットを統べる王と呼ばれるナビ、セレナード。羽衣を纏った神聖な姿をした自律型のナビで条件を満たすと戦える。その条件が予備フォルダで今まで倒してきたナビを30秒以内に倒すというかなりキツイものではあったけど。鬼畜な条件をクリアして初めて戦えるセレナードだが、最後のボスというだけあって強さは中々のもの。なんと、こちらの攻撃を全て跳ね返してしまうのだ。攻撃を当てられるのは大技を放っている僅かな隙だけ。普通に戦うとかなり手強いが、実は攻撃を反射するためにはある条件が必要である。そこを理解し、対策すれば実はそれほど苦労しない。倒すとセレナードのチップが手に入るが闇のチップのためダークホールかダークライセンスがないと使えない。

またまた余談だけど実際ロックマンエグゼは3で完結するつもりだったらしいので、本当はこのセレナードがシリーズ最後に戦うボスになる予定だった。

それから、3といえばやはりコマンド入力系のチップのヤバさも印象に残っている。3にはAボタンを押しっぱなしにすることで発動までに0.8秒ほどの猶予が発生し、その間に特定のコマンド入力に成功するとチップの効果や威力が変わるものがある。その代表がバリアブルソード。普通に使えばただの威力が高いソードでしかないが、コマンドを入力することでワイドソードやロングソード、ドリームソードなど様々なものに変化させることが可能。その中でも最も強いのがエレメントソードである。コマンドも一番難しいがその分威力は破格。火、水、木、電気属性のソニックブームを一度ずつ飛ばす技で、それぞれ威力は150。全段ヒットで600ダメージだが、相手が無属性以外の場合、どれかひとつの属性は弱点で2倍のダメージを受けることになるので実質威力900。あのマスタースタイルと同じダメージをたった一枚のチップから叩きだせるのは流石におかしい。とはいえいざ対戦で使うとなるとコマンド入力中は隙ができるし、適切なタイミングで冷静にコマンド入力できるかというとこれが難しい。よほどの熟練者でもないと安定して出すのは困難なまさに上級者向けの戦術だった。後はガッツインパクトのコマンドもヤバかった。技名は忘れたけど一番難しいコマンドを成功させるとロックマンが前方1マスに怒涛のパンチやキックの連続攻撃を繰り出す。ロックマンがキックのモーションをするのは恐らくこの攻撃のみのため貴重。威力も確か全段ヒットで900くらいはいったハズ。しかも最後の一撃に麻痺効果がついている。滅茶苦茶強いが攻撃範囲が1マスしかないので対戦で狙って当てるのは難しい。後、スーパーアーマーがついてる敵には攻撃の途中で逃げられてしまう。

最後の作品にするつもりだったからか、この他にも3には色々とやらかしているチップは多い。ナビチップでいえばフラッシュマンやプラントマンがヤバかった。どちらもWWWの幹部のナビである。フラッシュマンは最初に戦うナビのチップだけあって、威力は非常に低く、V4でも通常チップに劣る威力しかないのだが、フラッシュマンの真価は攻撃時の追加効果にある。フラッシュマンの攻撃はインビジ状態を貫通してダメージを与え、相手を麻痺させる。つまり、手軽に相手を麻痺させる手段になる。しかも攻撃範囲は画面全体のため発動タイミングも選ばない。ソニックブーム→フラッシュマン→ソニックブームという感じで間にフラッシュマンを挟むことで簡単に相手をハメることができてしまう。プラントマンも相手を蔦で締め上げ動きを拘束し、数秒間継続的にダメージを与え続ける。これもまたハメ戦法に使えてしまう。他にもパラボラボール3やキラーセンサー3など探せば探すほど強力なチップやコンボが見つかるのも3の魅力だった。

後、対戦でミドル級以上で対戦すると手に入るチップとかもあったな。リョウセイバイとオジゾウサンの2つ。ただ、ミドル級以上だと勝手に破壊してはいけないオジゾウサンが置かれたりとか時間経過で色々とギミックが追加されていくからガチ対戦には向いてなかった。

それから、エキストラコードというのもあったなあ。ナビカスタマイザーに後から追加できるシステムで、改造ツールをNPCから購入することで解放されるシステム。ナビカス画面でセレクトボタンを押すことでコード入力画面が出現し、特定のコードを入力することでプログラム以外でロックマンを更に強化できる。ただ、コードの入手が面倒。電脳掲示板に書いているものもあるが他は殆ど攻略本頼りだった気がする。後は当時やってたアニメの中に登場したものもある。正直、ナビカスタマイザーが初登場なのにエキストラコードなんて出していいのかと思ったが、前述した通り本当は3で終わらせるつもりだったから出し惜しみせず追加したのだと思う。

それで、対戦をするなら結局通常版かブラック版のどちらが良かったかという話だが、ある理由からブラック版が有利となっている。その理由とは何か。それはブラック版限定で手に入るギガクラスチップ、フォルダリターンにある。ロックマンエグゼシリーズの中でも1、2を争う壊れチップと名高い凶悪なチップで、効果はフォルダのチップを”フォルダリターンも含めて”(←ここが重要)全て再生させるというもの。つまり、フォルダリターンを入れるだけでチップが底を尽きることが無くなる上、強力なチップを何度でも使い回すことができる。それでいてコードは全てのチップと繋がる*(アスタリスク)。強すぎて当時の公式大会では使用が1度までに制限され、2回使った時点で反則負けという特別なルールが設けられたほど。通常版とブラック版で戦った場合、通常版が一方的にチップ切れになるリスクを負うことになる。故に基本はブラック版が有利。他にも有用なギガクラスチップは存在するがわざわざフォルダリターンを差し置いて採用するメリットが薄いのでほぼ確実にフォルダに入ってると思っていいレベルだった。一応相手がフォルダリターンを握っている時にジェラシーでチップを破壊すればなんとかならなくもないが、狙い撃つことはまず無理なんで対策は無いに等しい。とはいえ対戦でそこまで長期戦になることはほぼないので実はそんなに脅威ではない。再生させても再び強力なチップを相手が引けるかという運の部分もあるし。それでも強力すぎるチップには違いないのだが。

ちなみに、通常版限定のギガクラスチップはナビリサイクル。直前に使われたナビチップの効果を再度発動するというもの。相手が使ったナビチップも対象になる。これはこれで使えないわけではないのだが、フォルダリターンの前ではどうしても霞んでしまう。とはいえ、通常版がブラック版に完全に劣っているかというとそうでもない。セレナード様を使えるのは通常版だけだったりする(負け惜しみ)。

余談だが、チップの効果でフォルダのチップを再生するというのは一体どんな処理がされているのか気になる。チップを使っているのは現実世界の光熱斗なわけで、謎である。アニメでは一度使ったチップは専用の機械に差し込んでエネルギーをリチャージしなければ使えないということになっていた。そのためアニメ世界ではフォルダリターンというチップはまず存在しないだろう。

3だけ異様に長くなってしまったがそれだけ色々と楽しい作品でもあった。

9.ロックマンエグゼ4

「ダークチップを使いなさい。」

「使っちゃダメェ」

というCMが印象的だった作品。

前作でストーリーが一応完結したため、ストーリーや設定、システムを刷新した新生ロックマン。3からの待望の続編だが評価は恐らくロックマンシリーズの中でも一番低い。その原因はシリーズ唯一の周回前提のシステムであったこと。前作からのスタイルチェンジシステムが廃止され、新システムのソウルユニゾンが実装されたが、6つあるソウルを全て揃えるには最低でも3週はしないといけないのである。これが大いに不評を買った。また、ソウルユニゾン前提のためか前作までと比べてチップの威力や性能が低く、そのくせ周回する度にウイルスだけは強くなっていくため難易度はかなり高め。総じてシリーズの中でも玄人向けの作品となってしまった。また、先に進むために面倒な課題を課されることが多いのも評価を下げる要因となった。

そもそも、チップや様々なアイテムを集めていくロックマンエグゼと周回システムの相性は悪い。それではなぜ周回制にしてしまったかというと、恐らくは大会メインの話だったからだろう。

ストーリーはワールドスリーが壊滅し、世界に平和が訪れた中、ネットバトル大会が開かれることになり光熱斗たちも当然参加することになる。もちろんただの大会だけで終わるわけもなく、案の条大会の裏では悪の組織が暗躍しているわけだが。要は大会でロックマンと当たったナビとイベントが発生し、それでそのナビとソウルを共鳴させてソウルが手に入るという仕組み。だが、当然決勝戦までに全てのナビと当たるわけではない。当たらないナビもいる。じゃあ、そのナビとのソウルはどうすんの?ということで編み出されたのが周回システムというわけである。しかし、周回させるくらいなら無理やり大会以外でソウルが共鳴するイベントを作れば良かったんじゃないかと思わなくもない。

レッドサンとブルームーンの2バージョンが発売。それぞれ手に入るソウルやチップに違いがある。

ストーリーは心の闇に焦点を当てられており、今までのシリーズより展開が重い。また、心の闇の象徴としてダークチップがシステムとして登場した。ダークチップはロックマンが攻撃を連続で受け、ピンチになったりしてココロウィンドウが不安状態になるとチップ選択画面に現れる。通常のチップよりも遥かに強い攻撃力をもつダークチップを使えば追い詰められた戦況を簡単に打開できるがその分本当に取り返しのつかないデメリットが存在する。それはダークチップを使う度に最大HPが1ポイント永久になくなるというマジで洒落にならないもの。どうせ後で取り戻せるだろうと思ったがそんなこともなく、本当に取り返しのつかないデメリットとなっている。さらに、ダークチップを使えば使うほどロックマンの心が闇に染まっていく。ある程度闇に染まるとソウルユニゾンができなくなってしまう。その代わり闇のチップが使えたりするので一概にデメリットとは言い難いが。

今作では通常チップの性能が抑えられているためその分ピンチの時に現れるダークチップの誘惑は強烈。いけないと思いつつもついつい頼ってしまいたくなる。システムとしてはよくできていると思う。

そして、今作の目玉システムであるソウルユニゾンだが、対応する属性のチップを生贄にすることで変身。ユニゾンしたナビの力を使えるようになる。持続ターンは3ターンのみでソウルユニゾン中に他のソウルにユニゾンすることも可能。一度変身したらその戦闘中は同じソウルに再度変身することはできない。言ってみれば簡易スタイルチェンジ。だが、スタイル性に慣れた自分にはあまり合わなかった。設定は魂を共鳴させたナビの力を借りて戦うというとても熱いものではあるんだけども。そして、ソウルユニゾンの仕様に合わせるためか、チップの属性が細分化した。今まで火水木電の4属性だったチップの属性が大幅に増え、今まで無属性だったチップもリカバリー系やインビジブル系などに属するようになった。

それで、このソウルユニゾンというシステムだが、使ってみると結構不便である。まず戦況にあわせて使うソウルを変えて臨機応変に戦えるかというとそういうわけでもない。そもそも1週目ではソウルが2つしかないから必要に応じて使い分けるという運用ができないし、ソウルが揃ったら揃ったで変身するために生贄用のチップを複数枚入れなきゃいけないから事故りやすくなる。変身に必要なチップの属性がリカバリー系とか使いやすいものならいいんだけども、数値系とかは単体だと使いにくい。

さらにソウルユニゾンすると基本は生贄に使う属性のチップの威力を強化して攻撃したりできるのだが、生贄用のチップに加えて同属性のチップがないと要は真価を発揮することができないということになる。だから基本的には使うソウルを一つか2つに絞ってフォルダ内のチップの属性を固めた方が使いやすい。1つのフォルダで全てのソウルを使いこなすには無理がある。

色々とマイナスなことを書いたがソウルユニゾン自体は結構強い。特にレッドサンはラスボスをも完封できるだけのポテンシャルを持つソウルが複数あったりするし、ブルームーンのウッドソウルの超耐久も中々壊れてはいる。システム自体が初出ということもありソウルは結構強めになってた印象。特にウィンドソウルの性能はかなりおかしい。変身中ずっと相手を引き寄せる風が吹くとか、バスターがエアシュートに変わるとか色々と高性能。

それに対戦環境自体はそこまで悪くはない。どちらかというと強いソウルが集まっているレッドサンの方が有利だが、ブルームーンは手に入るチップが強かったりする。ソウルが強い方はチップが弱く、チップが強い方はソウルが弱いという風なバランスの取り方。

しかし、如何せん対戦までのハードルが高すぎる。最低3週はしなくてはならず、更に五大暗黒チップを集めるといけるグレイブヤードを攻略しないといけないのが辛い。しかも五大暗黒チップは闇のチップであり手に入れたとしても通常のロックマンでは使うことができない。ダークチップを使いまくってロックマンの心を闇に染め上げなければ使えないが、デメリットが強烈すぎるので、軽い気持ちでやれるものではない。これは続編の5にも言えることだが闇のチップが手に入っても使えないから嬉しくないんだよね。ただの観賞用のチップにしかならないから。

それと確か改造カードなるものが販売されたのは4からだったと思う。カードゲームのパックみたいにランダムで5枚くらいカードが入っていて、カードeリーダーというものを使うことでロックマンを強化できる。今でいう追加ダウンロードコンテンツの先駆けとも呼べるものだが実際に使っていた人はそんなにいなかった。カードeリーダーを持っている人が少なかったのと、持ってたとしてもGBAが2台必要だったから使える環境が整っている人がいなかった。もし使えていたら難易度はもう少しマシだったかもしれない。もしかすると4の難易度の高さは今考えると改造カードを使うことが前提だったのかも。

ロックマンエグゼコレクションでは改造カードのデータが全て入っているらしいので当時とは難易度や対戦環境は劇的に変わるだろうし、そこは楽しみではある。

10.ロックマンエグゼ5

2005年発売。チームオブブルースとチームオブカーネルの2バージョンが発売されたが、発売時期がそれぞれ異なっており、チームオブブルースの方が早く発売されて、カーネルは確か年をまたいで2006年に発売された。発売時期が違ったのは2作同時発売だと納期に間に合わなかったからだろうか?おかげで本当はカーネル版が欲しかったのにブルース版を買うことになった。しかし、結果として正解だったかもしれない。

システムは前作のソウルユニゾンシステムを継承。さらに、ダークチップを生贄にすることでカオスユニゾンすることも可能になった。(ロックマンは大丈夫なのか?)カオスユニゾンは1ターン限定だが、チャージショットの判定に成功するとダークチップをデメリットなしで発動できる。ただし失敗するとその時点でカオスユニゾンは強制解除され、ロックマンの闇の心が具現化したダークロックマンがあらわれ牙を向くというデメリットがある。まあ、ポーズを連打すれば確実に成功させることができるのだが。

そして、5の特徴としてはリベレートミッションが挙げられる。今回はサブタイトルにもあるように、ブルースのオペレーターであり主人公のライバルである伊集院炎山と、今作から初登場した謎の男バレル大佐と彼のナビ、カーネルが率いるチームに属し、ダークロイドと呼ばれる闇のナビとの戦いが描かる。それで、ダークロイドが占拠しているエリアはウイルスによって汚染された闇のパネルで埋め尽くされているので、それを一つ一つ解放(リベレート)していき、エリアの最奥で待ち構えるダークロイドを倒し、エリアを解放する。それがリベレートミッションである。炎山orバレル大佐が率いるチームのメンバーと彼らがオペレートするナビ達と共にダークロイドによって汚染されたエリアを取り戻す。最初からチームで悪の組織に立ち向かうという熱い展開である。

それで、肝心のリベレートミッションの方なのだがこれが結構難しい。闇のパネルを解放するには戦闘をしかけてパネルの中に潜んでいるウイルスを3ターン以内に倒さなければならない。カスタムゲージが満タンになると自動的にチップ選択画面に移行していしまうのでチャージショットで粘るということはできない。通常時なら3ターン以内に敵を殲滅するのはそこまで苦でもないが、問題は不利状態の時である。周囲が闇のパネルに囲まれた状態で戦闘を仕掛けると挟み撃ちやこちらのエリアが狭い不利状況で戦闘が始まる。特に挟み撃ち状況がヤバい。中央の狭いエリアで、左右からやってくる敵の攻撃を捌きつつデリートしなければならない。敵の組み合わせによっては逃げようがない攻撃をされたりと色々と理不尽である。できるだけ不利な状況は避けてリベレートを進めたいが、ターン制限があり、後半のミッションほどクリアターンがシビアで悠長に進めている暇などない。オーダーポイントを消費することで発動できる各ナビの特殊能力を駆使するのが攻略のカギだが、そのオーダーポイントも結構カツカツで連発はできない。一応ミッション中に入手する機会はあるのだが、運の要素が絡み確実に入手できるわけではない。また、セーブできるナビも決まっているので何度もセーブして成功するまでやり直すというやり方もとれない。また、リベレートミッション中はチームの他のナビも操作が可能なのだが、いざ使ってみると結構クセが強い。ロックマンならソウルユニゾンやカオスユニゾンが使えるので比較的楽に戦えるのだが、他のナビは当然ソウルユニゾンは使えない。そのかわりにナビ専用のチップが使えるがそこまで使い勝手のいいものではない。どのタイミングでどのナビを使うか考えることも必要。リベレートミッションをやってるとロックマンって使いやすかったんだなと実感する。

結局5の評価はこのリベレートミッションを好きになれるかどうかにかかっていると思う。私は嫌いではなかったが途中から面倒臭く感じるようにはなった。ボスまでの道のりがとにかく長いんだもの。他の作品でもボスと戦うまでに面倒なお使いイベントをこなさなければならなかったりしたが、流石にリベレートミッションよりは楽。まあ、画期的な試みだったとは思う。

それで、対戦の方はどうかというと、ブルース版が優性。というのもブルース版は使いやすく火力の出しやすい無難なソウルが集まっているから。メディソウル以外は対戦で使おうと思えば使える。一方、カーネル版の方は個性的で特殊な能力を持ったソウルが多い。決して弱くはないのだが、ブルース版ほど容易に火力を出せるわけではないため、上手く能力を使いこなさなければ真価を発揮できず、素の殴り合いには弱い。また、チームのリーダーであるカーネルのソウルが絶望的に使い辛いのも難点。無属性チップをチャージショットで使えるようになるアームチェンジという面白い能力が使えるが、変更するとチャージ時間が異様に長くなるため結局連発できない。結局アームチェンジを使わずに普通のチャージショットを使った方がいいという悲しさ。更に変身に必要なチップも使いにくい置物系のチップなのが余計に使いにくさを後押ししている。チームのリーダーの能力なのにあんまりである。ただ、ストーリー的にはカーネル版をやった方がいいのは確か。何故か続編の6がカーネル編の続きになっているからである。何故ストーリーに差をつけたのか。これがよく分からない。

後は対戦では禁断のADS戦法というものが開発されて話題になったくらいか。ダークインビジ状態の時の仕様を利用した禁断の戦法だが、説明すると長くなるので気になる人は調べて欲しい。実際にADS戦法をやろうとするとストーリーを一からほぼバスターだけでクリアするという苦行をしなければならないのでやるには相当の覚悟と忍耐力が必要。なお、コレクションでは当然修正される模様。

11.ロックマンエグゼ6

シリーズ最後の作品。グレイガ版とファルザー版の2バージョンが発売。ビースト化が今作のテーマ。電脳世界にいる伝説の電脳獣グレイガ、ファルザーの力を取り込んでビースト化が可能になったロックマン。ビースト化は1ターンだけだがロックマンが超強化されビースト化の名の通り存分に暴れることができる。ただしロックマンに負荷がかかるので一度使うとしばらくは利用できなくなる。

また、ソウルユニゾンに代わりクロスというシステムが登場。心を通わせたナビの力を使うことができる点はソウルユニゾンと同じだが、違うのは、ターン制限なし、生贄チップが必要なくいつでも好きなタイミングで変身可能という点。まさにソウルユニゾンで不評だった部分を取り払った上位互換なシステムである。しかし欠点もあり、弱点を突かれるとクロス状態が強制解除されてしまう。一度変身したクロスは同じ戦闘中には再度変身できない点はソウルユニゾンと同じなため、弱点属性にはより気を使うことに。だが、この仕様が対戦での駆け引きを生み出すことに成功した。対戦で人気のクロスの弱点となるチップを入れたり、対戦であえて不人気のクロスを使うことで弱点を突かれないようにするといった具合に。

また、クロス状態の時にビースト化することも可能であり、クロスビースト状態になるとクロスごとに異なるビースト化能力が使え、さらにビースト化時のバスター連射能力なども使えるようになる。ただし1ターンすると強制的に現在変身しているクロスごと解除される。

有識者によるとエグゼシリーズで一番対戦バランスがいいのは6らしいのだが、果たしてそうだろうか?同じバージョン同士なら分かるけどグレイガ版とファルザー版では流石にグレイガ版に分があるのではないかと思う。自分も当時グレイガ版をプレイしていたが、グレイガ版のクロスはどれも攻めに特化しているので対戦で使おうと思えばどれも使えるんだよね。それに比べてファルザー版は個性が強すぎて(主にチャージショットの)対戦で使えるクロスはダストクロスのみという有様。もちろん他のクロスも使おうと思えば使えなくはないが対戦向きではないのは確か。ファルザー版は殆どダストクロス一本で戦っているという現状。力のグレイガ、戦略のファルザーという当時の触れ込みではあったけど、対戦向きのクロスが1つしかないんじゃそもそも戦略も何もないんじゃないか。一応、例の如くクロスが弱いファルザー版は入手チップが強く、サイトバッチで超強化とかできるけども。いつでも好きなタイミングで変身でき、解除されない限り永続強化のクロスと引かなきゃ使えない上に使い切りのチップ。どちらが強い方がいいかというとやはり前者だよなあ。

グレイガ版は基本的に殺意の高いクロスが多い。その中でもキラークロスとスラッシュクロスの性能は狂っている。

まずキラークロスは相手のHPに4の数字が入ってる状態で無属性チップを当てるとウイルスなら即死。ナビならHPが徐々に減少するバグが発生。これだけでも強いが、使いやすいカーソル系チップの威力を強化し、更にチャージショットも無敵状態を貫通するという隙の無い強さ。更にクロスビースト化すると無属性チップを溜め内できるようになり、見てから避けるのが困難な程早い攻撃を放つことができる。詰めの場面で使うと正に効果的である。文句のつけようがない高性能なクロスで個人的には最強のクロス。

スラッシュクロスはチャージショットの性能が狂っている。縦3マス、横2マスまで届く斬撃を飛ばす攻撃で、範囲が広いため相手が一番奥のマスにいる時でない限り確実にヒットする。そのためエリアスチールでエリアを奪えば確実に当てられるようになる。出も早く威力もそこそこであり、チャージスピードも遅くない。プログラムでチャージスピードや威力を上げれば変身してチャージショットピュンピュンしてるだけで勝ててしまう。もちろん確実に対策はされているので対戦では速攻で解除されたりもするが。

ストーリーに関しては綺麗に終わってはいるが、正直最後の作品としては微妙なところも多かった印象。特に探索方面。行ける街の数は増えたがその分容量を食うためか、一つ一つのマップで行ける範囲や入ることのできる建物の数が減っている。そのため行ける場所は増えているのにどこか窮屈な感じは否めない。後はチップも攻撃系のチップが殆どで属性によって格差が存在するし、プリズムなどの遊び心のあるチップは4以降減り、6は特に戦闘がクロスによるゴリ押しになりがちで単調になりやすい。良くも悪くも戦略の中心がクロスだから使える戦術にプレイヤーごとの差が出にくい等。ストーリーも割と短かったような気がする。

遊べなくはないけど色々と物足りない感じがしないでもなかった。

12.ヒグレヤ

以上で各シリーズの大まかな感想や個人的な意見は述べたが、ロックマンエグゼを語る上ではヒグレヤの存在は欠かせないだろう。1でナンバーマンと共に悪事を働いた日暮闇太郎(ひぐれやみたろう)だが、光熱斗とロックマンによって成敗され、以降は改心して秋原町にチップショップヒグレヤをオープンさせる。5まで存在し6ではヒグレヤの代わりにアスタランドが登場する。貴重なチップの入手元で頻繁に利用するかと思いきや、以外と利用することは少ない。なぜなら店頭販売のチップが序盤の段階でも役に立つかどうか怪しいレベルでしょっぱいから。まず序盤でもチップを買うことは無いだろう。むしろヒグレヤに行くのは店内に置いてあるチップトレーダーやロットナンバーが目当てだったり。他の人と通信することで取り寄せサービスが利用できたりするので後はそれくらいか。とにかく店の商品に魅力が無さすぎる。そもそもウイルスやナビを倒せば無料でチップが手に入るし、電脳世界のネット商人の方がいいもの売ってたりするからマジでチップを買う機会がない。

アニメでも同じような流れでヒグレヤを開店させるがナンバーマン曰く、レアチップを買い集めるばかりで売ろうとしないから経営が立ち行かないとのこと。

13.実は最強のチップはエリアスチール

実はエグゼで最強のチップはフォルダリターンでもサイトバッチでもなく、実はフォルダに最初から入っているエリアスチール。相手のエリアを奪い、自分のエリアにするという効果がシンプルながら非常に強力で、様々なコンボに利用できる。というか連続で使えば相手をハメられる。

エリアスチールを2回使い、エリアの最奥にポイズンアヌビスを置くのは当時プレイしていた人なら誰もがやったことだろう。相手のパネルを1マスだけにしてリュウセイグン撃ったり、ステルスマイン置いたりとやりたい放題である。こんなチップが最初から使えるのは結構おかしい。

14.総評

色々と書いたがやはりエグゼシリーズはどれも楽しかった。今回コレクションが出るのは本当に嬉しい。しかも対戦機能も丁寧についている。まさに完璧な移植と言える。これを機にもしかしたら続編が出る可能性もなくはないかもしれない。もしそうなったら、2バージョンでもいいからせめてバランス調整はもっとしっかりしてほしいところではある。後は使えるソウルやクロスのバリエーションももっと増やしてほしいのはある。GBAの容量だと6種類くらいが限界だったけど、10種類くらいは出して欲しい。

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