水素水は本当に効果があるのか?その効能と実態

水素水は本当に効果があるのか?その効能と実態

どうも森羅です。皆さんは水素水というものをご存じですか?数年前から「メタボに効く」「ダイエット効果がある」「アンチエイジングに効果的」など様々な怪しい効能を謳われ、通販などで販売されている商品です。

ああ~水素の音~。

というある通販番組に出ていた女性の台詞が取り上げられ、様々なネタ動画が作られていたのを覚えています。

こんな怪しさ満点の水素水ですが、そもそも本当に効果があるのでしょうか?

気になったので今回は水素水について調べてみました。

1.水素水とは?

始めにそもそも水素水とは何ぞやということなんですが、これは水素分子からできている水素ガスを水に溶かしたもののことです。

水素は気体の中でも最も軽く、空気中で燃えて水になり、水に非常に溶けにくい性質をもっています。ですから、水素水の中には水素がわずかしか溶けていないことがほとんどです。

そもそも水素水というのが注目され始めたのは、水素ガスが体に有害な活性酸素を効率よく除去するという研究が発表されたからです。

この研究では実験用のラットを使って行われ、活性酸素のうち最も強い働きをもつとされるヒドロキシルラジカルだけを除去するという結果が出ました。

そして、ラットでも効果があるなら人間に対しても効果があるのではということで、水素水が作られるようになったのです。

水素を摂取するには水素ガスを吸引するという方法がありますが、水に溶かした方がより簡単に摂取できるということで、大手飲料水メーカーから水素水が販売され、話題になりました。

2.有効性を示すデータは存在しない

しかしそんな水素水ですが、国立健康・栄養研究所のwebサイトに掲載されている【健康食品の素材情報データベース】によると、巷で謳われるような「活性酸素を除去する」「がんを予防する」「ダイエット効果がある」などの効果は人での有効性で信頼できる十分なデータはないということです。

このデータは現時点で得られている科学的根拠のある安全性・有効性を集めたものでかなり信頼性が高いと思います。詳しく知りたい方はwebサイトを実際にご覧ください。

3.水素水は健康食品ではなくただの清涼飲料水だった!?

通販などで様々な健康効果が詠われている水素水ですが、商品としての分類は健康食品ではなく、清涼飲料水となっています。飲料や食品は健康効果をうたうことを医薬品医療機器法(薬機法)で禁じられています。特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品であればある程度可能ですが、清涼飲料水となっている水素水はそもそも効果効能をうたうことはできないんですね。

そして、水素水に効果がないことは大手メーカーも認めているようで、例えば水素水を販売している伊藤園のサイトには水素水のQ&Aが掲載されているのですが、その中の一つに

Q.なぜ水素水を販売しているのですか?

A.水分補給の1つの選択肢として販売しております。

というやり取りがあり、伊藤園は水素水をあくまで効果や効能がうたえない清涼飲料水にすぎないという扱いをしています。

4.水素は体内で多量につくられている

そもそも人の体内では、日常的に水素が多量につくられています。つくっているのは大腸にいる水素発生菌です。

大腸内の腸内細菌によって発生するガスは毎日7~10リットルもあります。おならとして外部に出てしまうもの以外の大部分は体内に吸収されて血液循環に乗ってきます。その中に水素は少なくとも1リットル以上はあるとされています。

つまり、水素水に巷でうたわれるような効果があったとしても、わざわざ水素素なんて飲まなくとも、体内で大量に生成されている量で充分事足りるわけですね。

ラットの実験から人間にも有効と思われ作られるようになった商品ですが、そもそもラットと人の体では仕組みも構造も違うので、ラットに有効だから人間にも有効だろうという考え自体が浅はかだったわけですね。

5.まとめ

水素水について調べてみましたが、「知ってた」と言いたくなるような予想通りの結果でした。小学校で習う理科の知識があれば、そもそも水素は水に溶けにくいということなどが分かるわけですから水素水に何の効能もないことは分かっていましたが。水素水はただの水と変わりないです。

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